レンズのマルチコーティングとは?仕組みと効果を解説

カメラを知りたい
先生、マルチコーティングってなんですか? たくさんのコーティングがレンズにされているって事ですか?

カメラ研究家
いい質問だね! 「マルチコーティング」は、レンズの表面に複数のコーティング層を重ねる技術のことだよ。レンズの表面で光が反射してしまうのを減らして、より多くの光を取り込むことができるようになるんだ。

カメラを知りたい
へえー。そうすると、写真にはどんな影響があるんですか?

カメラ研究家
マルチコーティングすると、レンズに入る光が増えるから、写真が明るくなるよ。それに、反射が減ることで、フレアやゴーストといった光の乱れも抑えられて、クリアな写真が撮れるんだ。
マルチコーティングとは。
カメラや写真の世界では、「マルチコーティング」という言葉がよく聞かれます。これは、レンズの表面に反射を防ぐ薄い膜を複数層重ねてコーティングすることを指します。初期のレンズには、フッ化マグネシウムなどの単層コーティングが施されていましたが、ミノルタ(現コニカミノルタ)が2種類の層を重ねる「アクロマチックコーティング」を開発したことで、飛躍的に進化しました。この技術により、レンズの反射が大幅に抑えられ、光がより多く透過するようになった結果、レンズ表面が緑色に見えるようになりました。
実は、カール・ツァイスは戦前から多層コーティング技術を保有していました。その後、ペンタックスが7層ものコーティングを施す「スーパーマルチコーティング」(SMC)を、カール・ツァイスが独自の色再現を可能にするT*コーティングを開発するなど、各社が技術開発にしのぎを削りました。今では、多層コーティングはレンズにとって当たり前となっているのです。
写真レンズの「コーティング」とは?

写真レンズの表面をよく見ると、虹色に光って見えることがありますね。これは、レンズに光の反射を抑えるための薄い膜が複数層コーティングされているためです。このコーティングは、写真撮影において非常に重要な役割を果たします。一体どんなものなのでしょうか?
マルチコーティング登場の歴史

カメラレンズの進化は、光学技術の進歩と密接に関係しています。中でも、光の反射を抑え、より多くの光を取り込む「コーティング」技術は、レンズの性能向上に大きく貢献してきました。そして、現代のレンズではもはや常識とも言える「マルチコーティング」。これは、1970年代に登場した技術であり、それ以前のレンズとは一線を画す性能向上を実現しました。この章では、マルチコーティングが登場するまでの歴史を振り返り、その革新性について解説していきます。
マルチコーティングの効果

マルチコーティングによって得られる効果は、大きく分けて次の3つです。
まず、光の透過率が向上することで、より明るくクリアな写真が撮れるようになります。光がレンズ表面で反射してしまうと、その分だけ取り込める光の量が減ってしまいます。マルチコーティングは光の反射を抑えることで、より多くの光をカメラ内部に取り込むことを可能にします。
次に、ゴーストやフレアといった画質低下の原因となる現象を抑える効果があります。ゴーストとは、強い光源がレンズ内で反射を繰り返すことで発生する光の玉のようなものです。フレアは、光がレンズの表面で乱反射することで発生する、もやもやとした光の帯のことです。マルチコーティングはこれらの現象を抑え、クリアな画像を得るのに役立ちます。
最後に、コントラストが向上することで、より鮮やかで立体感のある写真になる効果も期待できます。光の反射が減ることで、本来の色が鮮やかに再現されるようになり、明暗差がはっきりすることで、写真に奥行きが生まれます。
マルチコーティングの種類

レンズのマルチコーティングには、大きく分けて「反射防止膜の層数による分類」と「特殊な機能を持たせたコーティングによる分類」の2種類があります。
まず反射防止膜の層数ですが、これは文字通りレンズ表面に何層のコーティングを施しているかを示しています。一般的に、コーティングの層数が多くなるほど反射防止効果が高くなり、よりクリアな視界を得られます。代表的なものとしては、1層コート、マルチコート、フルマルチコートなどが挙げられます。
一方、特殊な機能を持たせたコーティングには、撥水性や防汚性を高めるもの、特定の波長の光をカットするものなど、様々な種類があります。これらのコーティングは、単独で用いられることもあれば、反射防止膜と組み合わせて使用されることもあります。具体的な例としては、撥水・撥油コーティング、耐傷コーティング、UVカットコーティング、ブルーライトカットコーティングなどが挙げられます。
レンズを選ぶ上での注意点

レンズを選ぶ際、コーティングの種類や性能は重要な要素です。特に、マルチコーティングは光の透過率を高め、フレアやゴーストを抑制する効果があるため、画質に大きく影響します。
レンズの仕様書には、コーティングに関する情報が記載されていることが多いです。例えば、「フルマルチコーティング」や「多層膜コーティング」といった表記は、複数のレンズ面に多層のコーティングが施されていることを示しており、高画質が期待できます。
一方、コーティングの種類が明記されていない場合や、「反射防止コーティング」とだけ書かれている場合は、単層コーティングの可能性もあります。単層コーティングは、マルチコーティングに比べて効果が限定的です。
価格と性能のバランスを考慮しながら、自分の撮影スタイルや目的に合ったコーティングのレンズを選びましょう。